睡眠と痛み
五十肩やぎっくり腰の人が「痛くて夜中に何度も目が覚める」と訴えることがあります。
睡眠は脳幹部の特定の部位の活動が低下したときに起こりますが、痛みはこの場所を刺激するため寝付くことが出来ないのです。
私たちの眠りはレム睡眠とノンレム睡眠を一晩に5~6回ほど繰り返しています。
そしてこのレム睡眠は歳を取るにつれてだんだん短くなり、成人だと睡眠全体の20%くらいです。
ところがこのレム睡眠では、自律神経がアンバランスな機能低下を起こし、その乱れがきっかけとなり痛みが強まってしまいます。
痛みの他に脳出血、夜間狭心症、胆石症や胃潰瘍の痛み、ぜんそくなどの発作が起こるのもレム睡眠期です。
痛みで寝られない人がアルコールや睡眠薬で無理矢理寝ることがありますが、これはアルコールや睡眠薬にはレム睡眠期を少なくする作用があるからです。
ところで精神的な理由で痛みを訴える心因性疼痛の場合は、昼間どんなに腰痛などで痛がっていても痛みで目を覚ますことはありません。
その意味では睡眠は実際に存在している痛み刺激の性質と強さを判断する材料と言えます。
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