腰痛や膝の痛みが即解決!中高年のための体を治す歩き方講座 part 8

重力

膝クッションで重力を利用して歩こう

歩行にはどのような力が関わっているか知っていますか。

歩くために脚や腕などの筋肉の力を使いますが、もう一つ歩行に関係する大切な力があります。

それは「重力」。

歩行と関係なさそうに見える力ですが、実は歩くときに重力が深く関係しているんです。

私達が歩くときには体が上下に揺れますが、膝の曲げ伸ばしによって上体が上に行ったり下に行ったりしているわけです。

この上下の揺れは重力によって起こるものです。

「僕は歩くときに体は上下に動いていないよ」と思う人もいるかもしれませんが、それは上下運動が小さくて気づいていないだけ。

そして体が上から下にさがるとき、重力による力は地面に対して垂直にかかります。

この重力エネルギーに歩行の前に進むエネルギーが加わることによって、より強い前進パワーができるんです。

ためしに気をつけの状態から膝を全く曲げずに一歩前へ踏み出してみてください。

次に同じような気をつけの状態から一歩前へ出るときに、前に出さない方の足=軸足の膝を少し曲げてみてください。

どうですか、膝を曲げたほうがグッと前に、そしてより遠くに踏み出すことできたでしょう。膝のクッション

健康な人の歩行にはこの上下運動が見られますが、中高年で腰や膝に痛みを抱えてる人や高齢者にはこの上下運動があまり見られないことがよくあります。

歩くときに軸足の膝を曲げながら歩くには太ももの前側の力が必要ですので、足回りの筋力が弱くなっている高齢者や腰痛・ひざ痛を抱えている人は自然と膝が突っ張ったような歩き方になるんですね。

しかし、重力を使わない歩行は前に進むのに余分な力が必要になりますし、膝を突っ張ることで、膝にかかる負担が大きくなります。

腰や膝に負担をかけず楽に歩くためには、軸足の膝を曲げ伸ばしする歩き方をした方がいいんです。

歩くときは軸足の膝をつっぱらず少しだけ曲げて、膝のクッションを使いながら地面をしっかり押すように歩いてみてください。

きっと今までより前に進む力が強くなったことに気がつくでしょう。

このときの「地面をしっかり押す」という動作は、軸足を後ろに蹴りだすということではありませんよ。

でも、「後ろ足をしっかり伸ばして蹴りだして歩くのが良い歩き方と聞いたことがあるぞ!」という人がいるかもしれません。

しかし最近では軸足をしっかり伸ばして後ろに蹴りだすのは、前に進む動作にとってはマイナスであると言われています。

なぜなら軸足の膝を伸ばす動作は進む方向とは反対方向に力を加えるため、前進するエネルギーを減らしてしまうからなんです。

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