痛みの種類と分類
痛みの種類
痛みの種類は大きく以下の4つに分けられます。
1.末梢神経を通じて脳へ伝えられる痛み
指を針でつついたり、筋肉を痛めたりしたときに感じる痛みなど。
2.心因性の痛み
神経や体には問題があまりないのに感じる痛み。心理的な問題、社会的要因など、多くの要素で成り立っている痛み。
3.神経の痛み
神経痛などによるシビレや痛みなど。外傷はないが神経そのものが原因で起きる。
4.脳や脊髄の痛み
交通事故などで、脳や脊髄が傷ついて感じる痛み。
通常の腰痛や肩こり、膝痛で考えられる「痛み」は、ほとんどが1または2の痛みです。
まれに3や4などが原因の痛みもありますが、病院などの検査で原因はすぐ分かります。
したがって整体院などが対応すべき痛みは1と2の痛みです。
速い痛みと遅い痛み
ところで1の末梢神経を通じて脳へ伝えられる痛みには2種類あることをご存知でしょうか。
1つはピンなどで刺されたときに感じる鋭い痛み。「早い痛み」「一次痛」とも呼ばれています。
「早い痛み」「一次痛」は、怪我などで傷ついた細胞がその刺激を受け「発痛物質」を出し、それが電気信号という形に変化して神経を通って脳が認識する「痛み」です。これは瞬間的な痛みなので傷が治ったらすぐに痛みは消えてしまいます。
もうひとつはそうした一瞬の痛みが消えた後にやってくるズキズキとした鈍い痛み。「遅い痛み」「二次痛」などと呼ばれています。
慢性症状は外部損傷(怪我)がないのに肩や腰が重だるい、つらいなどの症状が長期間続くものなので「早い痛み」「一次痛」ではなく「遅い痛み」「二次痛」だと考えられます。
動きによる痛みの分類
●静かにしていても痛い(安静時痛)
体を動かしていないのに深部がズキズキうずく場合には、患部に強い炎症が起きていると考えられます。ぎっくり腰によくある症状ですが、長時間電車や車に座っていたり、立ち仕事で立ち通しでも安静時痛が起こります。
また、五十肩も初期段階では肩関節周りの炎症が見られるので安静時痛が起こります。
●動くと痛みが出る(動作時痛)
日常動作やスポーツ動作にともなって起こる痛みを動作時痛といいます。
動作時痛は筋力の低下や筋肉の柔軟性が失われた時や、体の動きがアンバランスになっているときに起こります。
たとえば立った姿勢から前に屈む、あるいは後ろにそるなどしたときの痛みや、何か物を取ろうとして腕を体から離すように動かしたとき肩に出る痛みなどがあります。
腰痛がある時は軽い動作時痛がぎっくり腰に発展する可能性が高いので要注意です。
●押すと痛い腰痛(圧痛)
圧痛は指で圧迫した際に感じる痛みを言います。そのほとんどが筋肉の過緊張による痛みですが、背骨周囲の炎症などに起因する圧痛もあります。