膝痛は老化じゃない?
高齢になると膝を痛める人が多いです。
当院でも高齢者の半数以上は膝痛で通院されています。
膝痛になると、日常生活で常に痛みを感じるのでとてもツライですよね。
当院の患者さんも、「旅行に行けない」「ちょっと歩くだけで痛いので動くのがおっくうになる」「買い物に出られない」など、大変な思いをされています。
そんな膝痛ですが、ひとくちに「膝が痛い」と言っても、実は膝痛の種類はいろいろあります。
たとえば仕事や運動で使いすぎで痛くなる膝痛、老化で膝の軟骨が削れて痛む膝痛、スポーツの怪我などで痛む膝痛など、ちょっとあげただけでもその原因はさまざま。
怪我などの膝痛は、整形外科などの病院で治療を受ければだいたいの人が良くなります。
若い人のひざ痛はこのパターン。
しかし、高齢で膝痛を抱えている人の場合、若者の膝痛とは違い膝の骨や軟骨が変形して起こる痛みがほとんどです。
このページを読んでいるあなたは、おそらく中高年の膝の痛みをお持ちではないでしょうか。
加齢による膝痛は、医学用語で「変形性膝関節症」と呼ばれていて、若い人には見られません。
膝関節の機能が低下して、膝軟骨や半月板などが割れたり傷ついたりして炎症が起こり、水がたまったり、痛みが出たりするのがこの膝痛の特徴です。
日本国内の加齢による膝痛患者数は約700万人と言われているので、いかにに多くの人が膝に問題を抱えているかがわかりますね。
膝痛は高齢者に多く見られることから、関節を長年使い続けて軟骨が磨り減るのが原因と思われがちですが、実はそうでもありません。
スポーツ選手など、関節を酷使した人でも関節症の発生率は普通の人と変わらない場合が多いのです。
膝痛になりやすのは、膝への体重負担が大きいい肥満の人や、関節を支える筋力が弱い人です。
つまり、膝の使い過ぎというよりは、加齢による筋力の衰えや肥満が主な原因なのです。
しかし、膝痛の原因はそれだけではありません。
膝痛を考える上で大切なのは、骨盤や背骨です。
骨盤と太ももの骨は筋肉でつながっています。
もし、骨盤が歪んでいれば、そこに付いている筋肉にも影響が出ます。
例えば骨盤が右回りにねじれていたとしましょう。
ねじれた骨はそこから太ももにかけて伸びている筋肉も一緒に引っ張ります。
引っ張られた筋肉はいつも緊張しているわけですから、そのうち限界が来てカチカチに硬くなります。
太腿の筋肉は膝を曲げ伸ばしするときに必要な筋肉ですから、その筋肉が硬くなれば、当然ひざの曲げ伸ばしがスムーズに行かなくなります。
スムーズに行かないだけならまだいいですが、通常とは違った、偏った力のかかり方がするわけです。
そうなると、偏った側の弱いところ、例えばひざの軟骨などに負担がかかり、足を引きずるようなおかしな歩き方をするわけです。
見た目にはほとんどわからない変化でも、毎日何千歩、何万歩も歩いているうちに大きなダメージとなり、膝が痛んでくるのです。
骨盤のねじれの原因は、腰辺りの骨「腰椎」やその上の「胸椎」の不具合から来ることもよくあるので、背骨の問題が骨盤を通して膝に影響しているという事も起こりえるのです。
このように、ひざの痛み一つにしても、膝だけの問題ではなく、そのにある骨盤や背骨の関わりがあるのです。
人間の体は各パーツが独立して動いているわけではなく、すべてが協力して動いているため、このようなことが起こるのです。
ここに膝痛治療の難しさがあります。
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